中小企業の経営課題や改善策を抽出する「企業診断」モデル

(2018年3月1日)


【モデル開発の背景】

 

 これまで、独立行政法人中小企業基盤整備機構等で製造業向けに「工場診断」(海外を含む実績:380社)を行ってきたが、2017年3月をもって当事業は終了した。そこで、今年度から当組合が事業を引き継ぎ、工場診断を担当する専門家の育成を含め実施することにした。

 しかし、中小企業には製造業以外の業種も多く存在するため、製造業以外の中小企業についても、工場診断をベースに他の業種にも適用可能な「企業診断」モデルを開発することで、容易に経営課題を抽出し、具体的な改善方法を提示できると考えた。

 また、企業診断後、ITコーディネータが継続して支援を行うビジネスモデルを構築することも期待している(工場診断では約2割の企業が、継続して支援を受けた実績がある)。

 

【目的・ねらい】

 

 工場診断は、①現場見学(30分)、②役員及び担当者への質問(30分)、③診断書の作成(15分)、④診断結果である課題と具体的な改善方法の説明(45分)という手順で、約2時間という短時間で実施している。特に、④課題と改善方法については、製造業で想定される解決策のサンプルを用意している。これが、短時間で診断を行うポイントである。

そこで、本企業診断モデルについても、企業側の負担を軽減し診断効率を高めることを目的として、診断で使用する「診断シート」に工夫を施すことにした。

 例えば、工場診断は、④改善方法に「具体的なIT」に関する記述が無く、一般的な方策(例:XXの見える化、XXXを計算)の記述で終わっているため、診断後に改善のためのアクションを取りにくい欠点があった。そこで、本企業診断モデルでは、「課題解決につながるツール類」を例示し、診断項目の成熟度が低い場合に、ITコーディネータに馴染みがあるツール類を容易に選択できるよう工夫した。

 また、成熟度の評価では、ITコーディネータ協会が発行する「IT経営成熟度診断ツール」の「成熟度レベル」に準拠することで、ITコーディネータであれば容易に成熟度を評価できるようにした。

 

【利用にあたっての同意事項】

 

本モデルの利用にあたっては、以下の点に同意が必要です。

 

①本モデルの再配布は禁止いたします。利用する場合は本ホームページより最新版をダウンロードしてください。

 

②本モデルは、推奨サンプルであり、本モデルを参考にしたことによって、万が一損害が生じた場合でも、ITC札幌有限責任事業組合は、一切の責任を負わないものとします。

 

③本モデルの利用に際し、誤字、脱字、記載ミス、記載洩れ等の、不具合を発見された場合は、速やかに以下の連絡先に通知するものとします。

 

【利用説明】

 

本診断シートは、ITコーディネータが診断結果を記入するような利用方法を前提としています。

[注]中小企業が自己診断するための診断シートは次年度に作成する予定です

 

診断は、①経営基盤に関するビジネス競争力、②情報化基盤に関するビジネス競争力について、それぞれ大分類、中分類の診断項目がありますので、ヒアリング等を通して各項目毎に成熟度を診断し記載します。

 

また、成熟度を決めた理由を「成熟度根拠」に記載します。

 

次に、成熟度が低い項目や診断先企業が経営課題と考えている項目について、成熟度を上げるための(重要な)ポイントを記載します。これは、現在のレベルと目標とするレベルにより違ってきますので、課題解決につながるツール類を参照しながら、診断を行うITコーディネータが、過去の経験等を参考にアドバイスしてください。

 

診断終了後、大分類毎の成熟度レベルは自動集計されます。そこで、ITコーディネータは、「レポート」中の全体総評、大分類毎の評価欄に診断結果を記載し、診断結果と改善方法を企業に説明します。

 

 

【本モデルへの不具合の報告・質問・要望先】

 

ITC札幌有限責任事業組合 インフォメーション

 

以下よりダウンロードしていただけます。

 


ダウンロード
中小企業の経営課題や改善策を抽出する「企業診断」モデル
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